アナウンサー百年百話　オリンピックを彩った言葉　平和の祭典を願って 12月11日のタイムフリー

夏と冬、通算10回の五輪実況を担当した西田善夫アナウンサー。オリンピックが平和の祭典であることを常に心に留めてきた。国際社会の対立を乗り越える彼の願いに迫る。

室蘭放送局が初任地でアイスホッケー実況の道を切り開いた西田アナウンサーは、1991年に冬季五輪の開催地が長野に決まった時、放送でこう述べた。「七年後の1998年が、せめてオリンピックの開かれる、平和な世界でありますように」。数多くの放送を担当しながらも、モスクワ、ロサンゼルスなど冷戦下で世界が分断され、一堂に集まるオリンピックが実現できなかった。平和の尊さをかみしめるスポーツの祭典だと説く。